看護師として自分の働き方・キャリアを考える

親の面倒を見るか仕事を選ぶかで迷ったら

高齢化社会となり多くの高齢者を抱える時代となった現代ですが、抱える問題は働き手の減少というだけではありません。高齢者ともなれば、体に何かしらの問題を抱えることになる方も多く、一人での生活にも支障をきたす事もあります。

その場合、多くは家族が介護を行なうなどして問題の解決に当たることになりますが、それは簡単な問題ではありません。

看護師という仕事上、介護を必要とする高齢者を幾人も見るという経験をしていることもあって、肉親に介護が必要になった時、比較的前向きに考える看護師は少なくはありません。

しかし、仕事など自分の本当にやりたいことがあるとしたら、肉親の介護との両立が困難になってしまい、多くの方は悩むことになるでしょう。介護を中心とすれば仕事を今まで通りに行う事は出来ませんし、仕事を中心とすれば介護も十分に行う事は出来ません。

仕事か介護か。

子供の立場として役割を考えるなら、肉親の面倒を自分で見るのは当然と考えるのが一般的でしょう。しかし逆に親の心境を代弁するなら、自分が原因で我が子がやりたいと考えていることを諦める事ほど悲しいことはありません。

今は在宅で介護を受ける方のためのサポート事業が盛んになっており、行政などのサービスも充実してきています。何も個人一人が介護の負担を背負う必要はない時代でもあります。必要な手続きを行ったり介護サービスを利用したりすることで、ある程度は介護と仕事を両立することは出来ます。

他人に自分の肉親を任せることは出来ないと頑なに考える方もいますが、介護は自分が考えている以上に辛く大変なものです。ストレスだって想像以上のものとなります

介護される方としたら、むしろ、介護サービス事業などのヘルパーを相手にする方が気兼ねなく介護を受けることが出来ることも多くあります。自分の子供に世話になるのは心苦しくても、ヘルパーが相手ならビジネスと割り切ることができますから、最初のうちは多少の抵抗感を感じていても、次第に慣れていくものです。

子供だからこそ出来る気遣いもあります。直接的なケアを行うだけが介護ではないのです。全てを自分でと躍起になった結果、自分の体を壊してしまったという方がいたと言う事が私の周囲で聞かれていました。

肉親の介護にあたって大切なのは、子供だから介護をしなければならないと言うことではなく、利用できるサービスをフル活用して自分のやりたい事を続けながら、家族と向き合っていくということでしょう。

それこそが本当の親孝行ではないでしょうか。

今日の部屋持ち:いずみん

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