看護師のお悩みとお仕事的コラム

外来で働く看護師の悩み

医療機関の中でも、とりわけ大学病院や総合病院などの入院施設を備えている病院には、病棟の他に外来診療を行っているところがほとんどです。新卒看護師は、入職して病棟に配属されることがほとんどですが、ある程度経験を積んでくると、外来に配属される看護師もいます。

外来看護師から聞かれる悩みの一つに、看護の知識や技術が低下するのでは、という不安があります。

たしかに、病棟看護師と比べると、外来で働く看護師は周手術期の患者や重症患者のケアに直接携わることはありません。また、患者さんを受け持って看護展開していくということもないでしょう。

つまり、病棟看護師は、広く深く看護を実践していくことに対して、外来看護師は広く浅く看護を実践していくということが言えます。

もちろん、病院によっては異なる場合もあるかもしれませんが、多くの外来では一つの疾患に深く関わる機会は少ない傾向にあります。

一見すると、知識や技術がなくても外来の看護業務はできてしまうかのようにも思えます。しかし、外来看護師の役割は奥深く、知識と技術が備わっていなければ遂行できない業務なのです。

外来看護師の役割の一つに、医師と患者を繋ぐという役割があります。病院にはいろんなタイプの医師がいますが、患者さんに対して医療専門用語を使用したり、高齢の患者さんに対しても早口で説明する医師がいます。

しかし、たいていの患者さん、特に高齢者の場合は、医師に任せておけば大丈夫だろうという、お任せ医療が当たり前になっていることが多いです。

インフォームドコンセントの重要性が強調されている今日、患者さんのアドボケーターとして、看護師は大きな役割を担っています。医師の説明に対して患者さんがどのように理解したのか確認していく必要があり、理解なくして同意を得るということは、今の医療ではとても危険な行為なのです。

外来看護師は、患者さんの観察を通して、時にアドボケーターとして医師と患者を繋ぐリエゾンの役割を担っているとも言えます。そして、この遂行には知識と技術が基盤になければ困難です。

外来でも病棟でも、患者さんの看護をすることは一緒です。外来だからこそ求められる、高度なスキルを身に付けることも必要なのではないでしょうか。

今日の部屋持ち:ナミ

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