看護師のお悩みとお仕事的コラム

ナースキャップの廃止と戴帽式について

ナースキャップを見なくなって久しいですが、何故見なくなったのかと不思議に感じている方もいるのではないでしょうか。看護師といえば、白衣の天使と言われ、その象徴とも言えるナースキャップでしたが、昨今では廃止する病院も多く、ほとんどの病院で見かけることがありません。

ナースキャップを見なくなった、廃止になった理由は1つではなくいくつかあります。

一つはナースキャップ自体が不潔であると言うもの。病院と言う施設である以上、そこで働く職員には清潔という概念が必要になります。白衣に関して言えば、全ての職員が短いスパンでクリーニングに出していますが、ナースキャップに関しては、そのスパンが長くなってしまいます。理由は、表面上の汚れも目立たないし、職場によっては貸与されている数が少ないためです。けれども、ナースキャップの形状を維持するために使われている大量の糊が細菌の温床になっていると言う事が最近判明しました。

更に業務に関しての理由としては、ナースキャップ自体が業務の邪魔になると言う理由が挙げられます。比較的狭い空間で作業をすることも多い看護師ですが、機器や点滴台や様々なラインなどにナースキャップが引っかかるといった事例もあり、業務に支障が出る上、存在意義がないと言う意見が多く出てきたこともあって廃止に踏み切った病院が多くあります。

しかし、ここで問題になるのが戴帽式の存在です。

ナースキャップの廃止自体はきちんとした理由もあるので、業務上廃止が妥当だったかもしれません。ただ、最近はナースキャップの廃止に伴い、戴帽式も廃止する学校が出てきています。看護師としてのスタート地点、その心構えを身につける大切な式まで廃止とするのは些か腑に落ちないものがあります。

看護学校を卒業し、これから看護師としての道を歩む新人看護師にとって、戴帽式はこれからの自分の職業をきちんと認識するための大切なセレモニーであるはずです。看護師としての経験者からの意見として言えば、戴帽式なくして看護師としての気構えを持つことは難しいと思います。

今日の部屋持ち:onoi

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