看護師のお悩みとお仕事的コラム

プリセプター制度が見直される理由

「プリセプターになれと言われたけど何をしていいのかよくわからない」

「プリセプターの役割は重いけどフォローやサポートは薄い」

これらは、プリセプター制度に関しての看護師からの実際の感想です。日本の多くの病院ではプリセプター制度を取りいれていますが、プリセプターに対しての教育体制がない病院も多いのが現状です。

プリセプター制度で新人の看護師を教育すること自体は悪いことではないのですが、それにはデメリットがあるため多くの病院では導入したけれど、廃止しようという動きが多くなっています。それは、プリセプターを命じた上司自身がプリセプター制度について教育を受けていないために、この制度をあまり知らないことが原因でもあるようです。

プリセプター制の何が問題かと言いますと、上司がその制度についてあまり理解していないために、それが看護師にしっかり伝わらない点にあります。だから、プリセプターに任命された看護師は、新人看護師(プリセプティ)に対して何をしたらよいのかが把握できないのです。

また、上司はプリセプターに看護師としての知識や技術をプリセプティに与えるだけでなく、精神面や生活面、社会人としての常識に関する指導までもプリセプターに責任を負わせている現状があります。これではプリセプティを成長させるための制度が、結局のところプリセプター自身の精神的不調や不満、疲弊へとつながる結果となってしまうのです。

プリセプターだけに責任を押し付ける形になっているために、プリセプターだけがストレスを抱え込み、なすべき指導がなされない、これこそがこの制度が見直されている理由です。

プリセプター制度はあくまで新人を教育するための一環であるため、病院や管理職、更に上司においても、新人看護師に対してトータル的な責任が生じます。プリセプターがプリセプティの指導をすることで、看護師のレベルアップにつながるのです

病院としてはまず管理職を含めた上層部の人達にプリセプター制度とは何か、役割は何かを説明しなければなりません。勉強会を開催して、院内の職員のすべてがプリセプター制度を知る必要があります。
それができた段階ではじめて取り入れるべきシステムなのです。

今日の部屋持ち:onoi

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