看護師のお悩みとお仕事的コラム

潜在看護師が求める職場環境とは?

総務省が2014年4月に発表したところによると2013年10月1日現在、我が国は4人に1人が65歳以上である事がわかりました。これで少子高齢化が着実に進んでいることが、確実なデータにより裏付けられたことになります。これだけの高齢者がいるということは、医療費の高騰が示しているように医療機関にかかる人が、この先どんどん増えていくことを意味しています。

そんな現代においても、看護師不足は全国的に改善の兆しは一向に見えず、大きな社会的な問題となっています。その打開策として、EPA(インドネシア等との経済連携協定のこと)によって外国人看護師の導入が開始されています。ですが、言葉の壁や文化の違いなどの問題が山積で、絶対数から言えばまだまだごくわずかです。そこで現在、目を向けられているものが潜在看護師の存在です。

女性の看護師の場合、結婚や出産を機に退職する人が非常に多くなります。理由は様々でしょうが、根っこはごく単純なもので仕事をしながらの育児が困難なためです。職場側が示した就労条件に則って働くことができないのです。しかしながら、世の中は100年に一度と言われる未曾有の不況下にあるのですから、潜在看護師の中には復職を強く希望している人だっているはずです。ただ、それでも復職は厳しいとされるのは、潜在看護師の求める職場環境が整っていない現実です。

潜在看護師は、夜勤ができないので3交代で働けない、フルタイムでは働けない、突然遅刻したり早退したり休んだりしなければばらない場合がある、そんな理由で看護師として復職することを躊躇しています。

また、ブランクがあると看護師としての勘を取り戻すまでに時間がかかります。だから、働けそうな条件の職場を見つけたとしても採用してくれないことがあるため、復職活動に消極的になりがちです。

さらには採用されても、経験があるのだからと即戦力を期待され、何の指導も教育も受けられず、業務に慣れるまでにかなりの時間を要することもあります。それが原因でいじめに遭ったり、久しぶりにその職務の責任を再確認したりすることが精神的なストレスに なってしまうこともあります。

潜在看護師が求めている職場環境とは、まずはしっかりと復職支援を行ってくれる職場です。復職に対する不安や生活背景を理解した上で、できるだけ早いうちに業務をスムーズに行えるように再教育してくれる期間を設けてくれる職場を望んでいます。

他にも、夜勤をしなくてもいいシフトがあったり、フルタイムじゃなくとも短時間労働の勤務帯や部署を設けたり、そういった多様性を打ち出して働きやすくしてくれる職場を探しています。そして何より、潜在看護師を快く受け入れてくれる人間関係が築かれている職場を求めています。

最近では、潜在看護師の活用のために、より働きやすい環境整備に取り組む医療機関も徐々に増えています。近い将来、多くの潜在看護師が医療現場で活躍する日が実現するかもしれません。

今日の部屋持ち:on

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