看護師のお悩みとお仕事的コラム

採血・点滴の苦手を克服するなら

看護学生の時に最も緊張した実技を聞かれたら、おそらく採血だとか点滴だとか答える人が9割を超えることでしょう。実習の時に、はじめて実際に患者の採血をしたり点滴をしたりしたときには、額に汗をかきつつ手が震えた人も多いと思います。ただ、人の血管に針を刺すというこの行為は、基本をしっかり頭に叩き込んでいてもなかなかうまくできないものなのです。

理由は、血管の流れや太さや深さは指紋のように、人によってまったく異なるからです。センスの有無と言ってしまえばそれまでですが、こればかりは上手い看護師と下手な看護師が明確に分かれます。ただ、下手な看護師は早めに苦手を克服しないと、患者の採血にすぐに失敗する看護師というレッテルを貼られてしまい、終いには嫌われてしまいますので早めに対策を打つべきです。

採血や点滴の苦手を克服するなら、ただひたすらに経験を積むしかありません。最初は看護師同士で、自信がついてきたら看護師以外のコメディカルスタッフにも協力してもらってください。男女関係なく、多くの年齢層のスタッフに声をかけて、採血をさせてもらいましょう。そうして、できるだけ多くの血管に慣れ親しむことが大事です。

男性ならこれくらいの太さで、このあたりに真っ直ぐな血管があることが多いとか、高齢者なら弾力のある血管はどのあたりにあるのかとか、そういうところを観察していきます。採血や点滴の上手い看護師は、そういったことを察知して対処することに長けている人です。こればかりは真似できないので、練習の回数を重ねるほかありません。

血管の選び方も大事です。浅いところにある血管は、よく見えていても動きがある場合は失敗しやすくなります。また、表面にはまったく血管が見えないリウマチ患者の変形した腕でも、深いところに大きな血管がある場合が多いです。患者の体型によっては、針を90度に近い状態で刺して採血しないといけないこともあります。

こういうことは、頭の中で考えていてもうまくなることはありません。実技の苦手を克服したいなら1に練習、2に練習です。自信がつくまで練習すれば、いつの間にかうまくなっているものです。

今日の部屋持ち:onoi

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