看護師のお悩みとお仕事的コラム

足のむくみから進んでしまう下肢静脈瘤はきちんと治療すべき

看護師など主に立ち仕事をしている方に多い持病とも言えるのが下肢静脈瘤です。看護師のほか、常に立って仕事をするCAや血液の流れが悪くなりがちな妊婦などにも多い血管の異常ですが、放置することで思いもかけない事になる事も少なくはありません。

また、血液の流れをよくしようと勝手に判断して弾性ストッキングなどを使う方もいますが、かえってトラブルの元になる可能性もあると言うことを知っておく必要があります。

通常、血液と言うのは血管の中を流れて全身へ十分な栄養と酸素を送るためのものであり、生物の命の源とも言える大切なものです。その血液は血管の中を流れ、逆流しないように弁によって制御されています。

正常な血管であれば弁が作用して血液の逆流などが起こらないようになっていますが、何かしらの理由で弁の働きが阻害されてしまうと、血液の逆流が起こってしまいます。この状態を放置しておくことで一箇所に集中して血液が溜まるなどの事態が起こり、それが 下肢静脈瘤となってしまいます。

太く浮き上がった血管は見た目にも悪く、更に限界まで肥大した血管は血管壁が薄くなってしまうので大変もろく、少しの刺激に対しても破れやすくなります。大小様々な血管が集まっている場所であることもあり、静脈瘤が破裂すれば一気に大出血が起こってしまい、命に関わる可能性も高くなります。

即座に危険と言うわけではありませんが、注意しなければならないのは間違いありません。本来なら、静脈瘤じゃないかと思った時点で受診したほうがいいです。

でも、それが無理であれば、例えばウォーキングなどの軽い運動を継続して血液の循環を良くしたり、ガードルなどの締め付けのきつい下着を避けたりなどするだけで、改善につながります。また、下肢を少し上げた状態で寝るという方法も効果的です。

かつて私が働いていた職場では、下肢静脈瘤を放置し続けたことで業務中に静脈瘤が破裂してしまって、緊急オペとなった同僚がいました。確かに忙しいために放置するしかなかった事情もあったのでしょうが、他人の健康を任される仕事であるということは、自分の健康にも人一倍気を使わなければならないということでもあります。

医者の不養生と言う言葉もありますが、医療に携わる者として、健康には特に注意をしなければいけません。自らの健康を蔑ろにする看護師の言うことをきちんと聞く患者などいないでしょう。

まずは自分自身の健康をしっかりと管理し、説得力のある言葉を持つように心がけることが看護師としての最初の心構えでもあります。

今日の部屋持ち:いずみん

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