看護師のお悩みとお仕事的コラム

看護記録、夜勤の場合どうしてる?

看護記録は、看護師が行う記録物の中でもっとも重要なものです。

最近は、電子カルテになったこともあり、看護記録もデータ入力をする方式に替わってきていますが、紙に記録を残していた頃からその重要性は変わりません。

そこに残す患者さんの情報の数は多く、それだけに記録をする看護師にとっては、けっこうな労力を要すものです。

ところが、今、この看護記録で様々な論議が行われているのです。

実は、日本看護協会が2012年3月に公表した『看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』の中で、夜勤の時は患者さんに変化がなければ記録の必要なしと提言しているのです。

これは、ただでさえ人数の少ない夜勤帯の看護師の負担を減らすためのものであるとされているのですが、ここで意見が別れているのです。

夜勤帯は、当然患者さんも休まなくてはならない時間帯になります。

夜勤の巡回のときには、患者さんは寝ているので検温などは通常はしません。

だから異常が見られなければ、その巡回時の記録は残す必要がない、というのが看護協会の見解です。

実際に、これを受けて夜勤帯の記録を簡素化する動きは広がっています。

ただ、そうなると夜勤帯の記録がほとんど行われないことになってしまいます。

細かな記録がないと、例えば患者さんが急変を起こした際などに、変化を起こす前はどうだったのか、看護師は細かな変化に気付かなかったのか、など振り返ることもできなければ、詳細がまったく分からない状態になってしまいます。

監査に突っ込まれたり、訴訟になったりしたときに困るのは病院側であり、勤務していた看護師なのです。

看護協会は、おそらく夜勤を避けたい看護師を減らすために、看護師不足も相まってこのような方針を打ち出したのでしょうが、訴訟対策を普段からしっかり行っている病院などの現場からしてみたら大問題です。

こういった案件については、例えば病院内の記録委員会や看護部などで十分に協議されるべきだと思います。

様々な視点から検討して、その病院独自の方針を打ち出すことが賢明です。

今日の部屋持ち:いずみん

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