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全大学の3割が看護系って本当!?将来は看護師不足より過剰がこわいかも

先日の読売新聞によると、全大学の3割が看護系だそうです。看護系大学の数は今春新設する16校を含めると226校であり、10年前に比べて約100校の看護系の学部を持つ大学が増えていることになります。もちろん、この10年間の中で看護師不足が大きく改善されたわけではなく、現在も看護師不足が続いている現状です。

看護師の法律と言えば、保健師助産師看護師法を思い浮かべますよね。それと同じ柱立てとなっている法律が「看護師等の人材確保の促進に関する法律」なのです。

看護師等の人材確保の促進に関する法律は深刻な看護師不足によって、1992年に制定されました。しかしそれから20年が経った今、看護師不足は未だに顕在しています。

ただしこの看護師不足の現状を見つめることも大切なのですが、看護師の未来像を描くことも重要です。看護系の大学が増えることによって、「手に職を持ちたい」「安定した給料をもらいたい」などの志向で看護師の道に進む方々多くなってくることも予想できます。

つまり看護師は人材を増やせばそれでよいのか、という課題にも取り組まなければならない時期に入ってきていることが考えられます。そのため急激に多くなってきた看護系の大学では、看護学生の看護観をどのように育ませるかということが重要となってきます。

文部科学省は、看護教育の質の低下を防ぐため、2015年度の新設分から、看護系学科の設置審査を厳しくする方針を決めていることからも、看護の質的な部分の強化を図っていくことが重要です。もちろん危機的な状況は、臨床の看護師にも及ぶ場合も考えられます。

今後は看護系の大学が増えることで、看護師の増員が期待できます。しかし増員の先に何が見えるかと考えた時、同時に看護の質が低い看護師で満たされてしまうことも考えられます。

今の看護師に何ができるのかを念頭に患者さんへの日々の看護に重きを置きながら、看護師を養成する施設と臨床現場で看護教育の充実を図っていくことが大切ですね。

もちろん未来の看護師は、今の新人看護師や中堅看護師です。看護の質を維持していくためにも、常に自身の看護観を大切に仕事していきたいものですね。

これからも多くの患者さんと関わり、またそこで多くの学びを患者さんから得られることと思います。現代の看護師が看護の質を維持・向上し、それを次世代の看護師に伝承していくことも、新人看護師と中堅看護師の重要な役割ですよね。

今日の部屋持ち:ビスト

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