看護 医療 福祉業界的ニュース&コラム

歯科医が結核にかかっていた状態で診察を継続していた話

医療従事者は、医療に従事する方々ですから、常に清潔なイメージをもたれているかと思います。しかしながら、時にはそのイメージとは裏腹に感染の媒介者となることも多くあります。

例えば、病院でもさまざまな患者さんに接触するわけですから、感染者が医療従事者であれば、アウトブレイクと呼ばれる感染の集団発生をおこしかねません。

そこで、今回は、医療従事者がこの感染を広げてしまうかもしれない恐ろしいニュースです。

今月6日、女性歯科医師が肺結核の症状が現れた状態で、患者の診察を行っていたことを発表しました。この女性歯科医師は、2ヵ月間余りの間に、乳児や高齢者の計280人を診察していました。そして、県は診察を受けた全員を対象に説明会を開き、健康診断をする等の措置を行っています。

そもそも肺結核とは、どのようなものかというと、一昔であれば死亡する率が高くて有名な疾患です。特に結核の感染経路として、飛沫感染や空気感染があり、集団発生する可能性が極めて高いといわれています。

今回の場合、歯科医師ということで、マスクはしていたかもしれませんが、患者との距離が近いことや患者と同じ場所にいたことによって、飛沫感染や空気感染する危険があったといっても過言ではないでしょう。

また乳幼児や高齢者などの免疫能力の低い方たちが対象であったため、その感染するリスクは十分にあるでしょう。そして、最も恐ろしいのは、結核を発症した女性歯科医師が診察していた280人の患者が、新たに感染者を増やしてしまうのではないかということです。

幸いなことに、現在では歯科医の家族や勤務する職員は、結核の症状は出ていません。しかしながら、結核を発症して、診察をしていたことは事実として残り、それは患者やその家族に不安を今でも残しているでしょう。

このように医療従事者は、常に感染を念頭に行動しなければなりません。

医療従事者は、とかく自分自身の健康状態を業務の忙しさや人間関係のストレスなどで、見失ってしまう場合があります。質の高い医療を患者さんの提供するには、まず自分自身の体が資本だということを改めて実感します。

今日の部屋持ち:いずみん

-看護 医療 福祉業界的ニュース&コラム