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看護師7人がケガを防止する注意義務違反で書類送検されたニュースを知って

看護師は、医療従事者の中でも患者さんと多くの時間を過ごします。例えば、採血や点滴などの治療処置あるいは検査、また清拭や入浴などの介助、あるいは患者さんのお気持ちを傾聴するために、ベッドサイドに立つこともあるでしょう。もちろん、看護の立場は内面的なことだけではなく、知識や技術も兼ね備えてなければなりません。

しかしながら、看護師の職務とは裏腹に、看護師が患者さんを骨折させて、最終的に出血性ショックで死亡させてしまったことがありました。患者さんはご高齢のために、腰が曲がっていました。

看護師は、患者さんに、水分補給や導尿を試みましたが、患者さんはそれらに対して、抵抗したようです。そこで、看護師は両手や両足をおさえて、腰を伸ばしたところ、腰椎脱臼骨折から出血に至ったとの事です。

おそらく、看護師であれば、このような事態は把握できていたことでしょう。一般人でも、無理に関節を回したら、脱臼してしまうこと、また骨に負荷をかければ折れてしまうことは理解できます。無論、ご高齢の肩であれば、筋力が低下したり、骨が弱くなるのは子どもでも知っていることでしょう。

今回の事象は、患者さんの背中に枕などを置いて安定させ、けがを防止する注意義務があったにも関わらず、注意義務を怠ったということで、業務上過失致死容疑となり、7人の看護師が書類送検されました。

基本的なことなのに、なぜこのようなことに至ったのでしょうか。もちろん、当事者の方は容疑者となりたいがために、このような行動したわけではないでしょう。

看護師は、社会から医療従事者として期待されている存在です。

しかしながら、その職に従事するということは、生活習慣のバランスや専門性の追求など、多くのストレスを伴うことでしょう。また集団で働くということで、かたい絆で結ばれたチームワークを形成しなければ、看護の成立は困難です。

今回の場合、その職の特性によって、もしかしたら…ストレスが患者さんに向いてしまったのではないか、あるいは、また集団としてのストレスが連鎖反応の結果、患者さんに向いてしまったのではないかと思います。

看護職は高い倫理性も求められますから、いかにそれを各病院で、また各セクションという単位で波及できるかが、将来の看護の鍵となるのではないでしょうか。

今日の部屋持ち:ビスト

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