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外国人看護師を取り巻く問題について

看護師不足は深刻な問題として取り上げられています。

その解決策の一つとして実施されているのが、経済連携協定に基づく外国人看護師の育成と雇用にあります。しかし、海外からの外国人を育成・雇用するに当たっては少なからず障害とも言える壁が存在しており、それが外国人看護師の育成や雇用の大きな問題となっています。

第一の問題点として挙げられているのが、外国人自身の語学能力と国家試験の難易度の問題になります。日本語は世界の言語の中でも特に習得の難しい言語とも言われており、話し言葉の他、ひらがな、カタカナ、漢字といった文字の理解が必要になります。特に外国人が日本語を習得するにあたって最大の障害になると言われているのが漢字の存在にあります。

それぞれの外国人が日本への留学のためにある程度の日本語を習得していることは事実ですが、現場で日常的に利用されている日本語に対する理解力は、やはり不足しているようで、それが結果として看護師資格取得のための国家試験の難易度を大幅に引き上げる結果となっています。

事実、国家試験合格者は2009年に実施された1回目では0%と言う結果で、2011年に開催された2回目では1.2%、直近の結果でも11.3%と低い水準となっています。

第二の問題点として挙げられるのが、日本での業務と母国での業務の違いにあります。海外と日本では医療現場でのルール、法律などの問題もあって大きく異なることが多くあります。

例えば、海外では看護師の独断によってある程度の医療行為が認められるケースもありますが、現状の日本では看護師の医療行為は禁止とされています。

そうした業務自体の違いに戸惑い、現場での看護師の業務に不満を抱える外国人看護師も少なくはありません。外国人看護師自身の問題のほか、日本という国の体制自体にもまだまだ改良の余地が多く残されていることも問題です。

国家試験合格後に帰国する外国人看護師が増加した事で、厚生労働省は施設との契約前に試験合格後に就労の意思の確認などをする方針を表明していますが、

こうした労働を強制するような確認自体にも問題視する声が聞かれます。また、海外から看護技術を学びに来る外国人のためのマニュアルやコミュニケーションへの配慮など現場が主体となって行わなければならないことも多くあります。

私の周りの業界関係者の間でも、人種の違いや言語の違いと言った問題やコミュニケーションの難しさなどは度々耳にする問題です。出来る限り、早急な対応、対策が必要である事は間違いありません。

今日の部屋持ち:いずみん

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