超高齢化社会を迎え、看護師の仕事は増え続ける一方なのに、我が国の看護師不足は未だに深刻なものです。
国がその打開策の一環として行っているのが、アジア諸国からの看護師の受け入れです。
これは、インドネシア、フィリピン、ベトナムとの間で締結された経済連携協定(EPA)に基づくもので、これらの国々の看護師・介護福祉士候補者が来日しています。
政府によれば、これは上記の国々の失業率を下げるための政策であるそうですが、看護師不足に悩む我が国にとってもメリットのあるものとなっています。
候補者は、日本で行われる看護師の国家試験に合格する必要があり、日本の文化や言葉の壁など山積となっている問題に直面しつつ、資格取得を目指しています。
ただ合格率は低く、10%前後という状態です。
そんな中、最近増えてきているのが中国人の看護師です。
こちらは、中国の国内で看護師免許をすでに取得した人たちですが、この中国人看護師がこのところ多く日本にやってきています。
NPO法人をはじめとして、日本国内に仲介業者が存在しており、そこから看護師を募集している病院へ中国人看護師を紹介しているのです。
中国国内で看護師の資格を取得していても、日本に来たらその免許は使えません。
そこで、日本語学校などに通い、まず准看護師に合格することを目指します。
通常、外国人はこの日本語習得で躓くのですが、中国人の場合、漢字が読めるので比較的日本語の習得が早い傾向にあります。
そして、働きながら正看護師の資格取得に向けて勉強するのです。
これは就労ビザが准看護師だと在留期間は最長4年ですが、正看護師になれば制限はありません。
仲介業者は、中国人看護師を様々な面からサポートしてくれます。
教育的な支援はもちろんのこと、経済面での支援も行っており奨学金の紹介から手続きまで行ってくれます。
また、准看護師や正看護師に合格した際の就職先も紹介してくれるのです。
これだけのサポートがあると、中国人看護師の方も安心して勉強に取り組めるでしょう。
読売新聞によれば、日本で准看護師の免許を取得したある中国人看護師は「看護技術が進んでいる日本で看護師として働き、中国の実家に仕送りもしたい」などと語っています。
現在、外国人看護師の8割を占める中国人看護師は、今後、さらに数を増やすことになるでしょう。
もしかしたら、看護師=中国人という時代が来るのかもしれません。
今日の部屋持ち:いずみん