だいぶ昔から言われ続けてきたことですが、医療にはどうしても地域間格差が生まれてしまいます。
これは、医療だけの問題ではなく教育面でも商業面でも同じようなことは起きています。
そして利便性の悪い土地は、田舎とか僻地とか呼ばれていますが、近年になってITの発達がめざましく進歩したことで、この地域間格差が埋められようとしています。
少なくとも、医療における地域間格差はなくなりはじめています。
日本はご存知のように島国ですが、海の上には小さな離島が点々と存在しています。
よくよく調べてみると、無人島が6426島、有人島は421島、合計6847島の離島が日本にはあるのだそうです。
医療を必要としている人が、421島の離島に分散していることが分かります。
しかし、あまりにも小さな島には、飛行場がありませんし、常駐する医師がいないことも珍しいことではありません。
診療所があっても医師がいなかったり、医師はいるけど、十分な設備が整っていなかったり、そんなことは離島ではよくあることです。
しかし、そういった医療難民を放置しないために、今、医療とIT業界との連携が形になりつつあります。
熊本では7月に入って、遠隔医療診断支援システム「XMIX(エクスミクス)」の運用がはじまりました。
これは、脳卒中を起こした人の医療体制強化を図るために開発されたシステムです。
例えば、脳梗塞や脳出血などの疑いがあって、すぐに診断や治療が必要な患者さんであっても、そこにうまい具合に脳神経外科医がいるとは限りません。
そこで、画像診断を他の病院の専門医にしてもらい、診断結果をスマートホンなどで受け取ると同時に、治療に必要な助言ももらえる、というシステムを開発したのです。
熊本では、このシステムをすでに6つの医療機関が導入しており、徐々に拡大していき、医療格差を解消していきたいとのことです。
1970年にはじまった遠隔医療。
医師法第ニ十条の改正で1977年に行われ合法化したことで、2000年には術中の病理診断が法的に認められ、その後、ITの発展に伴って、より高度な遠隔医療システムが開発されるようになりました。
まだまだ現場の問題は山積ですが、近い将来、我が国すべての医療機関がオンラインで結ばれ、医療の分野では田舎や僻地がなくなる日がくるのかもしれません。
今日の部屋持ち:いずみん