看護 医療 福祉業界的ニュース&コラム

がんの罹患数と死亡者数が増加している理由

我が国の3大死因といえば、がん・心疾患・脳血管疾患が長きにわたってトップ3を占めてきました。

厚生労働省の人口動態統計における2012年の年間推計によりますと、3位に肺炎が浮上して脳血管疾患は4位になりましたが、依然として1位はがんです。

今年の7月に独立行政法人国立がん研究センターが発表したところによりますと、2014年には新たに88万2200人ががんに罹患して、がんにより死亡するのは36万7100人になると予測されています。

これは、今年はじめて発表されたがんに関する当年予測のデータで、過去の数値などをもとにして算出されました。

今年がんに罹患する人の数は、2010年の全国推計値と比較すると約77,000人増えると予測されています。

確かに、がんは現代人がかかりやすい疾患だと言われますが、なぜ罹患者数も死亡者数も増加するのでしょうか?

理由の1つは高齢化です。
今や、超高齢化社会とも言われ、4人に1人は65歳以上の高齢者である世の中になりました。

長生きをすれば、一病息災という考え方もありますが、病気にかかっている可能性は高くなります。

高齢者に多いのは、やはりがんです。

若い頃から治療を継続している人もいますし、新たに罹患してしまう人もいます。

そうして、命を落としてしまう人もいるのです。

それが、この予測データに反映されていると言えるでしょう。

もう1つの理由は、糖尿病の増加です。

日本糖尿病学会が発表した糖尿病と癌に関する委員会報告を見てみますと、糖尿病と癌の罹患リスクとの関連は顕著になってきているということです。

厚生労働省が公表した平成24年の国民健康・栄養調査の結果によりますと、糖尿病に罹患している人とその予備群を合わせると、約2,050万人にのぼると推計されています。

ストレス社会の中にあって、運動不足や不適切な食事、喫煙や過剰飲酒などの生活習慣が糖尿病患者を増やしているわけで、そこからがんに罹患する人が増えているのです。

高齢化は歯止めが効かないかもしれませんが、生活習慣を見なおして糖尿病を予防し、がんにかからないようにすることは可能です。

1人1人がもっと自分の健康に関心を持ち、がんに罹患しない生活をおくるべきだと思います。

今日の部屋持ち:いずみん

-看護 医療 福祉業界的ニュース&コラム