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総務省が病院での携帯使用を認めた理由

病院内では携帯電話の電源はOFFにする、というのが常識となっていますが、8月に総務省は新たな指針をまとめました。

これによると、医用電気機器からは設定された離隔距離以上離すことなどの一定条件をクリアできれば、入院病棟の病室や外来の待合室、エレベーターホール、食堂や廊下などでの携帯電話の使用が可能になったということです。

そもそも、何が原因で病院での携帯電話の使用が禁じられてきたのかというと、1994年に東京にある公立病院の病室内である患者が携帯電話の操作を行いました。その際、同じ病室内で作動していた薬剤投与の機器が誤動作を起こしてしまったのです。

そこで、携帯電話で医療機器に影響が出るということで、1997年に当時の郵政省と厚生省が使用区域のみでの使用とする指針を出していました。

それから17年経った今、病院内での携帯電話の使用がOKとなり使用制限は大幅に解除されることとなりました。理由は、医療機器と携帯電話、双方の進化にあります。

まず、携帯電話は以前の指針が出された際と異なり、現在はLTE(高速データ通信サービス)が主流のスマートホンを持つ人が多くなったため、弱い電波でも通信が可能となっています。

また、医療機器の方も電波の影響を受けにくくする対策が進んだために、今回の指針の見直しとなったのです。

ただ、だからと言ってすぐにいつでもどこでも病院で携帯電話が使えるわけではありません。

手術室やICU(集中治療室)ではもちろん電源を入れることはできませんし、また、マナーの問題で共有スペースや病棟の大部屋などで自由に通話することもできません。

 指針はあくまでも指針であって、これからこれを元にそれぞれの病院でルールを作っていくのです。つまり、指針には沿っているものの、病院によって携帯電話の使用についてはルールが異なってくる、ということです。

あなたの勤務する病院ではどんなルールになっていますでしょうか?

今日の部屋持ち:いずみん

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