看護師のお悩みとお仕事的コラム

褥瘡のある高齢者の介護

介護士をしていて必ずと言っていいほど遭遇するのが、褥瘡です。褥瘡は、デクやデクビとも言われています。

褥瘡の評価スケールによれば、最も軽傷の場合は皮膚の発赤のみですが、重症の場合は知覚神経が麻痺し、骨や腱が見える状態になっています。

そこで、褥瘡のある高齢者の介護について考えてみましょう。

褥瘡を発見した場合、まず大切なのは、その部位と大きさを観察し、記録に残すことです。スタッフに褥瘡が出来たことを報告し、詳細を伝えることで、継続的な介護や看護が可能になります。

次に、なぜ褥瘡が出来てしまったのか考えてみます。ほとんどの場合、同一部位が圧迫されたことによってできることが多いのですが、仙骨部や大腿骨頭部などでは、オムツの湿潤が原因で皮膚が浸軟し、褥瘡発生のリスクになっていることがあります。

また、血中の蛋白質やアルブミンなどの数値が低いと、栄養状態も良好とは言えず、栄養不良が原因で褥瘡が発生していることもあります。

このように、スタッフ全員で褥瘡の発生原因を考え、それを取り除くことで、さらなる悪化を予防していくことが大切になってきます。

発赤の段階では、圧迫を除くために体位変換が有効です。具体的には、2時間毎に体位変換を促していくことが必要だと言われています。

寝たきりで全介助の人の場合、枕やクッションを利用して、楽な体位を保持できるように援助します。この際、褥瘡後発部位が強く圧迫されないように、良肢位を保てるよう心がけましょう。

拘縮や麻痺があり、良肢位を保つことが難しい患者さんに対しては、安楽枕や三角クッション等を利用し、できるだけ自然な体位を維持できるようケアしていきます。

オムツ内が排泄物等で湿潤している場合、撥水作用のあるジェルやクリームを塗布することで、発赤ができることを予防することができます。

しかし、この撥水ジェルは商品によって値段も異なるため、購入する家族の経済状況などに応じて、購入を検討してもらえるように勧めていくことが必要です。

施設において、褥瘡を発見するのは介護士であることがほとんどです。そして、早めの段階で褥瘡に対する処置を行うことが、悪化を予防する上で重要になってきます。

新人さんなどが判断に迷った時は、一人で考え込まずに誰かに相談することが大切です。

看護師は褥瘡の観察や処置に慣れているため、細かな報告・連絡・相談を実行していくことで、適切な対処が可能です。正しい対処法を身に付けてプロとして仕事を行っていきたいですね。

今日の部屋持ち:ナミ

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