看護師のお悩みとお仕事的コラム

疲労外来の広がりと看護師の心得

疲労外来が全国的に広がりを見せています。以前、婚活ブームが広がった頃、婚活疲労外来というものができたことが話題になったことがあります。他にも、脳疲労外来や眼精疲労外来などがありますが、このところ増加傾向にあるのが慢性疲労外来というものです。

この4月に、大阪のビジネス街として知られる淀屋橋に「ナカトミファティーグケアクリニック」という疲労を専門とした外来が開業しています。運営しているのは大阪市立大医学部付属病院疲労クリニカルセンターの中富康仁医師で、同センターと連携して診療が行われています。

慢性疲労は、ただの疲れと侮ってはなりません。慢性疲労症候群(CFS)と呼ばれ、微熱やだるさからはじまり、重症化すれば寝たきりになる可能性もあるので、早期に対処することが望まれます。

ナカトミファティーグケアクリニックでは、疲労度の診断には疲労科学研究所提供の「疲労ストレス測定システム」を導入しており、心電図と脈派を測って疲労度をデータ化することで、どの程度の疲労であるのかをチェックしています。

慢性疲労というのは、体や心が少しずつ活力を奪われていくので、ビジネスマンには大敵です。でも、その疲労をどうにか緩和したくて病院に言っても異常と診断されなければ何の対処もしてもらえません。中富医師は、そういう人にこそこの疲労外来に来てほしいと話しています。

さて、このような疲労外来がどんどん増えるということは、そこで働く看護師も増えるということです。前述したように、慢性疲労というのは心からも元気を奪ってしまいます。そのため、医療関係者のちょっとした言葉の選択の間違いが、訪れた患者をさらに疲れさせることだってありえます。

疲労外来で働く看護師は、慢性疲労でとても困っている患者の心情を理解し、心の負担を緩和できるような言葉かけをすべきです。心を楽にする言葉をチョイスするためにも、心理学を学んでみるのもいいかもしれません。

疲労外来での具体的な治療は、はりきゅうや点滴などになりますが、そこで働く看護師の笑顔や言葉も治療の一環であることを心得たいものです。

今日の部屋持ち:onoi

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