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介護保険サービスの限界と打開策を考える

2000年からはじまった介護保険制度を利用して受けられるサービスが介護保険サービスです。

これは、本格的に進んだ少子高齢化によって家族での介護が難しくなってきたことから、構築された介護システムです。導入が遅すぎたとも言われたこの制度とサービス、実は今、現行では対応できない現状が浮き彫りになってきています。

日本労働組合総連合会が2014年2月~4月に1,381人を対象に行った調査結果によれば、現行のサービスや担当のケアマネージャーに対して、現状で問題ないという人は60.8%でした。

しかしながら、このまま介護を続けていけないと考えていたり認知症の専門医療が必要だと感じていたりする人の場合には51.9%の人が不満だと回答しました。さらには、在宅介護が継続困難と答える人が30.6%に上ったのです。

不満の原因はどこに?

サービスやケアマネージャーに不満を持っているのは、介護を必要としている人が認知症の症状が進んでおり、世話ができなくなっているという状況の家族がほとんどでした。

認知症は、在宅で家族が面倒を見るにも限界があり、専門医療が必要になってきます。

しかし、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などの入所できる介護保険施設は待機者が増える一方で、いつ入所できるのかがまったく不透明な状態が続いています。

事実、調査結果の中の介護保険サービスについて困っていることを見てみると、

介護保険サービスで困っていること上位3つ

1位 利用回数・日数が少ない、
2位 夜間・緊急時に利用できない、
3位 待機者が多く施設に入れない

というものでした。

超少子高齢化が想像以上の速度で進んでいる我が国では、認知症に対し専門的な医療を提供できる施設の待機者は、今後も増え続けることは目に見えています。

しかしながら、施設を増やすこともマンパワーを増やすことも困難な状態の今、利用者を少しでも満足させるには、現存のそれらをフル活用できるような新たなサービスなのかもしれません。

介護保険制度を変えるには時間がかかります。認知症の進行は、それを待ってはくれないのですから、国の方針だけでなくマスコミも巻き込んだ形での介護施設の充実に社会全体で取り組んで行くようになって欲しいものですね。

今日の部屋持ち:いずみん

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