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求人倍率が上がっても看護師が不足する理由は?

看護師は慢性的な人手不足に悩まされていると言われています。医療業界は常識とまで言われていることですが、その看護師の求人倍率は3倍を超えるなど決して悪いものではありません。にも拘らず、看護師が依然として不足している理由をいくつか考えていきましょう。

第一に看護師の需要が増えたという点が挙げられます。

高齢化社会に突入をした事で、病院などの医療機関だけではなく介護施設などへの看護師の配置が義務付けられたことで看護師の職場は更に広がりを見せています。そのため、医療機関で抱え込んでいた看護師が介護施設へも流出する結果となり、絶対数の変わらない看護師の取り合いが行なわれているのが理由の一つです。

第二が看護師の雇用に関する問題。

看護師は薄給と言われているのは昔からですが、実際にはそれほどに安い給料と言うわけではありません。多くの人は看護師は高給取りと言うイメージを持っていますが、経験者からの意見としては、看護師の給料は決して高いものではありません。何よりも基本給が安く、各種手当で底上げされている状態ですから、夜勤をしなければ一般サラリーマン以下の給料になります。

女性が多く、妊娠などを期に退職する看護師も多いですが、復職を躊躇する理由の一つが、労働に見合わない低い賃金です。潜在看護師と言われるかつては第一線で働いていた元看護師の数は71万を超えると言われています。その潜在看護師が職場への復帰を意欲的に考えるように賃金の改革が必要なのでしょう。

そして、福利厚生の不足も看護師不足に拍車をかけている一因になります。

男性看護師が増えたとはいえ、まだまだ女性の多い職場である事には変わりはありません。当然、育児をしながら働く女性も多く、職場には育児に対する理解と協力が求められます。

しかし、現実に育児に対する支援を行なっている医療機関や介護施設は多くはなく、まだまだ福利厚生が充実しているとは言い切れないのが実情です。

今日の部屋持ち:いずみん

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