看護 医療 福祉業界的ニュース&コラム

国内治験が減少している理由

国内の医療の発展と言うのは、多くは臨床試験などから得られるデータが元になっています。より高度な医療を提供するためには、新しい薬の開発や新しい治療法の確立が不可欠です。そして、それらの技術などが広く世の出て多くの医師や看護師が当たり前のように利用することが出来る環境を整えることが、医療を発展させ、国民の命を守ることへと繋がります。

しかし、昨今、そんな医療の発展にも陰りが見えていると囁かされています。要因となっているのが、国内治験の減少です。 治験と言うのは新しく開発された新薬や治療法などの詳しいデータを収集するための試験でであり、治験者の協力があって行なわれる大切なものです。この治験自体が近年減少していると言われています。

原因となっているのは、新薬などに関する副作用や治験に関するネガティブな情報の発信ががほとんどです。新しい薬と言うことは、想像もつかないような健康被害を及ぼす深刻な副作用が出るのではないか、など新薬に関する大きな不安が治験への協力を阻害しています。

現在、様々な治療法や薬の開発が進められており、例えば国内でも河崎医科大では咽頭がんや舌癌の治療に有効とされるホウ素中性子捕捉療法が開始されています。命の危険もあるがんの治療法となりますので、その有効性が証明されれば多くの人の命を助けることも出来るでしょう。

また、今年の夏にはアメリカで肝硬変に対するバイオ医薬品の治験が行われることが報じられたばかりで、こちらも確立されれば肝硬変から進行する肝臓がんの予防にも大きく効果を発揮します。

日本国内の治験減少の原因となっているのは、やはり情報量の少なさです。安全、安心などを謳って人を集めるよりも、もっと詳細な情報をオープンにすることこそが人の安心感を得ることが出来るものであるはずです。

私の周りの医療従事者の間でも治験はもっと情報をオープンにすべきだという意見が多く見られます。特許など利権に関わる問題でもあるため、難しいことである事は分かりますが、それでも情報を隠すことには大きなデメリットしかないでしょう。

今日の部屋持ち:いずみん

-看護 医療 福祉業界的ニュース&コラム